長浜の名物「焼鯖そうめん」。長浜名物を手軽に楽しんでもらいたいと「インスタント焼鯖そうめん」を製造販売する清水大介さんをご紹介します。
私は30年以上、セイキン商事という食品の卸売業を営んできました。長浜市で親戚が営む清金醤油店が作るセイキン醤油を中心とした食料品を取り扱って、給食センターや病院をはじめ、様々なお店に商品を卸してきました。
また、「ニシンそば」や「うどんだし」などのオリジナル商品の製造販売も行っており、滋賀県の物産展に参加することもしばしば。そんな時に、長浜市の名物である「焼鯖そうめん」を家で楽しめるような商品を作ってもらえないかと提案を受けました。
提案を受けた時は迷いもありましたが、自社で「ニシンそば」を商品化した経験があり、何よりそうめんつゆと焼鯖の甘露煮にはセイキン醤油を使うことができる。そう思って商品化に乗り出しました。
企画から4ヶ月。乾麺タイプの焼鯖そうめんを商品化。滋賀県産小麦を100%使用したそうめんに、国内で水揚げされた鯖はセイキン醤油を使って4時間炊き上げました。そうめんつゆは、もちろんセイキン醤油をベースに。郷土料理として受け継がれてきた味を再現した自信作です。
しかし、素材にこだわったため、お土産物としては少し値段が高くなってしまうことに。売れるかどうか心配していましたが、長浜市の観光スポットである黒壁で取り扱っていただき、思っていた以上にお客様に購入していただくことができました。この経験で焼鯖そうめんはお土産物として需要があると確信しました。
ある日、乾麺タイプの焼鯖そうめんのPRのために、東京で行われた物産展に参加。他の参加者のインスタント麺の商品を見て、焼鯖そうめんもお湯を入れてすぐに食べられるインスタントタイプがあれば手軽でいいなと思いました。
ただの思いつきではありましたが、思い立ったらすぐに行動!と、フリーズドライ麺のOEMができる会社を探すことに。大手の会社ではロット数など条件があわず、会社探しは難航。しかし、なんとか少ないロット数でも対応してくれる会社を見つけ、サンプルを取り寄せ、試してみると、お湯を入れるだけで、つるつるの麺に。これはイケると思いました。
インスタント焼鯖そうめん用の焼鯖は、長浜市余呉町の三徳さんで甘露煮に。そうめんつゆは、少しあっさり目。飽きずに食べていただける味付けにしました。
そして、思いつきからたった1ヶ月。インスタント焼鯖そうめんが誕生しました。お湯を注いで3分、湯切りをして、そうめんつゆをかけて甘露煮を乗せたら出来上がり。
地元のデザイナーさんに発注した、パッケージのレトロなイラストは、長浜の雰囲気にも合い好評です。
セイキン商事として卸売業と自社オリジナル商品の製造販売をしてきましたが、低調が続いていた卸売業は思い切って清算。
2020年4月、焼鯖そうめんを中心とした自社オリジナル商品の企画・製造・販売を行う会社として、リスタートすることにしました。
これを機に会社名は「長浜萬商株式会社」に。長浜の「ええもん」を発信していきたいという思いを込めました。
発売から3ヶ月。インスタント焼鯖そうめんを取り扱っていただける店舗も増え、道の駅や地元のスーパーにも並んでいます。
もっと多くの人に知ってもらいたいと、地元のアーティストとともに「さばそうめんのバラッド」と「長濱さばそうめん音頭」の2曲を制作。YouTubeでは動画も配信しています。
長浜ゆかりのアーティストが歌う「さばそうめんのバラッド」。長浜のよさこいチームのメンバーが踊る「長濱さばそうめん音頭」。どちらの曲も、見ても聴いても楽しんでいただけるものに仕上がりました。
自社商品のPRだけでなく、長浜を盛り上げたいという気持ちで、地域の人と一緒に「長濱さば太郎プロジェクト」と名付けて取り組んでいます。
地域を盛り上げる取り組みでは、2019年から長濱大学をスタート。長濱大学、通称「ハマダイ」は、長浜で活躍する職人やアーティストを講師に、長浜の歴史や文化を体験してもらう講座です。
講座の内容は、湖東焼きの絵付け体験など、長浜の魅力を感じてもらえるもの。この体験を通して、人と人とのつながりができ、何度も長浜を訪れてくれる「長浜のファン」を増やすことを目標に頑張っています。
長浜で30年以上商売をし、積極的にまちづくりにも参加してきました。そして、焼鯖そうめんの商品化をきっかけに、地域にゆかりのある商品を作ることの面白さややりがいを感じています。
インスタント焼鯖そうめんの一番のポイントは手軽さです。観光で長浜を訪れた人が気軽に長浜名物の焼鯖そうめんを味わえるような場所を作るなど、これからの展開に思いを巡らせているとワクワクします。
さらに今後は、地場産業を盛り上げたいという思いをどうにかカタチにしたいと模索中です。浜ちりめんやビロードなど長浜市の地場産業は魅力的で高品質。そんな地場産業が元気になれば、地域も元気になる。そう思って、企画を練っているところです。
長浜萬商株式会社は、名前の通り、萬(よろず)の商(あきない)をする会社。長浜の「ええもん」を発信し続けていきたいです。
社名 / 屋号 | 長浜萬商株式会社 |
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住所 | 〒526-0041 滋賀県長浜市南田附町315 |
連絡先 | TEL:0749-63-8181 FAX:0749-63-8182 |
URL | 長浜萬商株式会社 |
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