ナンダカナガハマアタラシイ〜長浜でチャレンジする人へインタビュー〜

インタビュー

  • 2018.03.07
  • 福祉業

だれもが気軽に「つどい」あえる
まちづくりのお手伝い

(NPO)法人つどい 理事長 川村 美津子

優しい笑顔の奥に『つどい』への熱い想いを持ち、様々な立場の方の居場所づくりに取り組む、認定特定非営利活動(NPO)法人つどいの川村美津子さんのご紹介です。

【設立のきっかけ】
高齢者の方々に想いに寄り添った場所を、生まれ育ったまちで作りたい

私は、十数年間高齢者のヘルパーの仕事をしておりました。ヘルパーとして働く中で、各ご家庭の事情があると思いますが、高齢者の方が生まれ育った地域を離れ、遠くの施設で最後を迎えなければいけないということに疑問を感じていました。

住み慣れた場所を離れず、なじみの人たちと暮らし続けたいと思われている方が多いのではないか、そして、私は、その想いを持った方々の力になれないかと考えるようになりました。次第に想いは強くなり、高齢者の方々に想いに寄り添った場所を、私自身の生まれ育った大好きなまちで作りたいと思ったのが始まりでした。

長浜市南東部に位置する西黒田地域には、山や田が広がり、美しい風景の中に集落が点在し、今なお昔と変わらぬ暮らしを続けている方がたくさんいます。

その方々の暮らしを次世代にも残していきたいと考え、私はケアマネージャー資格を活かし、高齢者の方々の思いに寄り添った手助けが出来ればと、平成23年1月にケアプランを中心とするNPO法人つどいを設立しました。

認定特定非営利活動法人つどい
NPO法人つどい

また、地域の地域づくり協議会にも参加していたため、市のまちづくり、地域のまちづくりについて考え話し合う機会があり、地域産業が少ないこの地に、新たな産業を生み出せないかと考えていました。当初は手探り状態で始めましたが、次第に色々な課題や、また地域の方々の新たな声を聞くようになりました。

現在は、介護保険対象外の方、障害者、子供たちの居場所がないという声を聞き、ケアプラン、デイザービス、放課後児童クラブ、託児、障害者の方の支援、また農園運営など多岐の事業を行っています。

NPO法人を設立して早7年。つどいは、年齢や障害のあるなしにかかわらず、住み慣れた町・地域で共生できる場所であることを1番に考えています。皆様の熱い想いが集まって柔軟に対応できるよう、認定NPO法人として地域福祉に根ざした活動しています。

【現在の活動状況】
多くの人の協力を得て「あいのたにロータスプロジェクト」に力を入れています

あいのたにロータスプロジェクト
あいのたにロータスプロジェクト

現在つどいをあげて力を入れているのは、布施町の集落を上がった山すその休耕田で進めている、『総出』事業の「あいのたにロータスプロジェクト」です。

およそ3ヘクタールに及ぶ休耕田を無償でお借りし、田を整え、蓮の栽培を始めたのが平成28年から。蓮に注目したのは、長浜市は仏教文化財の宝庫と言われ、今なお多くの観音像が村人によって大切に守られています。

近年は、観音の里と言われるほど全国的に有名な地となってきていますが、蓮はその観音像と関わりが深い花です。その蓮を、地域産業に繋げられないかと考えました。

地域の活性化に繋げるためには、ビジネスモデルの構築が大事であると認識しており、咲いた蓮の花を利用し、飲食や雑貨などの商品を作りたいと思いました。

『総出』の事業を始めるにあたり、地元のJAさんに協力を求め、最初の年は1アールの田に50株ほどの蓮を植えました。その蓮が見事に咲いた時の嬉しさを今もよく覚えています。

棚田で蓮を育てておられます

翌年は、地域の方々にもご協力いただき、3ヘクタール全てを使い苗植えようということになり、そして本格的に蓮の商品化へ向けて始動しました。

蓮の花を使った商品化を考える中で、たまたま香水を作られている会社の社長と知り合い、蓮の栽培をしている話をさせていただいたところ、賛同してくださり、蓮を使用した香水を作ってくださることになりました。現在は、通信販売などで商品展開をしており、セラピストやヨガの関係のお客様に好評だと伺っています。

また、京都の料亭でも、料理の盛り付けに蓮の花をそのまま使用するという提案が受け入れられ、今後の展開に期待が膨らんでいます。

今年の夏頃には、たくさんの蓮の花が咲く予定ですので、地域の高齢者や障害者の方、沢山の方々の手をお借りしたいと、お声掛けをしながら人員確保に取り組んでいるところです。

蓮の収穫作業の様子
蓮の収穫作業の様子を写真で見せていただきました

蓮の栽培だけではなく、農園も運営する中で、同じ田・畑に立ち、様々な人が一生懸命作業している姿を見て、これが私のやりたかったことだと実感することが出来ました。

高齢者だけではなく、引きこもりで外に出られない方、子ども、障害者の方々がつどい、農業を通じて交流することで、地域コミュニティの活性化に繋がるきっかけになるのではないかと思い始めたのが、地域で共生していく『総出』の事業です。

今後も活動範囲を広げ、多くの方々の協力を得ながら、この「あいのたにロータスプロジェクト」に力を入れていきたいと思います。

また、共生型サービスができる場所として、行政の方が一緒になって力になってくださっているので、一緒に同じ方向を向いて、利用者さんの思いに寄り添った場所であれるように努めたいと思っています。

【インキュベーションセンターの活用】
具体的な商品開発のヒントやアドバイスを受けた

『総出』事業の「あいのたにロータスプロジェクト」をはじめるにあたり、蓮を使った商品を開発していくため、長浜市役所に相談に伺いました。そこで、事業支援をされている、長浜バイオインキュベーションセンターを紹介していただきました。センターの方に熱い想いを聞いていただいたところ、このプロジェクトへ賛同してくださり、具体的な商品開発のヒントやアドバイスを受けています。

インキュベーションマネージャーは、とても親身になって話を聞いて下さり、その繋がりをきっかけに新たな発想が生まれています。沢山の方々の知恵をいただき、ビジネスモデルの構築に繋がっていると思いますし、共感の輪が広がり、沢山の方々に評価をしていただいていることは、本当に嬉しく思います。

【今後のビジョン】
人と人を繋ぎ、新たな発想から生まれる場所がNPO法人つどいの役割

認定特定非営利活動法人つどいの川村美津子さん

今年は、『総出』事業の「あいのたにロータスプロジェクト」を継続して行いながら、モノづくりのための新たな会社を設立したいと考えています。ワクワクするような商品開発をし、ブランディングの構築、出荷、販売など一連の流れをビジネスとして更に向上させていきたいと思っています。

日本では、まだまだNPO法人の実態を理解されていないところがありますが、この蓮の使ったビジネスを成功させていくためには、それぞれの目的を明確にし、理解を得ていくことが必要であると感じています。

私の頭の中は、あれもしたい、これもしたいと、沢山のアイデアで溢れています。蓮の可能性は幅広くあると感じており、これから更にどんな繋がりが生まれ、そこからどんな新しい商品が出来ていくのだろうかと、とてもワクワクしています。

更に今の夢は、地元にある学校の学生を巻き込みながら、若者がやりたいことへの支援をしていくことです。若い方の持っているパワーを日々感じている中で、人と人を繋ぎ、新たな発想から生まれる場所がNPO法人つどいの役割でもあると思っています。

そして、移住してきた若者も活躍しやすい場を作り、私たち世代は、子供や孫の未来をつくるためのバックヤードとなり、若い人たちが活躍できる舞台ができるようにしたいと思っています。

今後も、やりたいことをやっていくという自分の気持ちを大事にし、地域のだれもが気軽に『つどい』あえるまちづくりを、地域の皆さんと一緒に取り組んでいきたいです。

つどいさんへのお問い合わせはこちら

社名 / 屋号 認定特定非営利活動(NPO)法人つどい
連絡先 〒526-0823 滋賀県長浜市常喜町874番地2 MAP
TEL / FAX 0749-57-6777 / 0749-57-6778
設立 平成23年1月
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バイオビジネス創出研究会

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