ビワマスのおはなし

「新鮮なビワマスが豊富に手に入る長浜だからこそ、独自のビワマス文化が生まれたのです。」

滋賀の食事文化研究会 副会長・京都華頂大学 教授 堀越昌子 氏

 長浜の南浜地域には、ビワマス料理の多彩な食文化が受け継がれています。
 淡水魚の中で一番美味しいとされるビワマスは、淡水魚特有の臭みが無く、刺身、塩焼き、煮付け、味噌煮、天ぷらなどに人気の食材です。滋賀県では「アメノイオご飯」が伝統料理として有名ですが、「味噌蒸し」、「早寿司」、「コケラズシ」、「コモ巻」などは南浜地域だけに残る特有の調理法です。
 コケラズシはナレズシの一種で、特に南浜地域の人々にとても愛され、今でも正月やオコナイ、祭り、結婚式の時に「ご馳走」として登場する祝いの食です。フナズシなど他のナレズシと異なるのは、飯漬けにショウガの千切りを入れ、麹を使うところです。祝いの日から逆算して仕込み、ピッタリ40日で仕上げるのが南浜地域のコケラズシです。

 新鮮なビワマスが豊富に手に入るこの地域だからこそ、育まれた独特のビワマス文化だと言えるのではないでしょうか。